安全衛生教育を立て直そうとするとき、
「まず目的を明確にしましょう」 という言葉をよく耳にします。
ですが、
目的を決めたはずなのに、受講者の行動が変わらない。
そんな経験はないでしょうか。
その原因は、目的が間違っているからではなく、
目的が伝わる言葉になっていないことにあります。
1.正しい目的でも、伝わらないことがある
「事故を防ぐため」
「安全意識を高めるため」
「法律を守るため」
これらはすべて、安全衛生教育として正しい目的です。
ですが、
受講者の立場で聞いたとき、
「だから自分は何を変えればいいのか」
が見えないことが多くあります。
正論であっても自分の行動と結びつかなければ、
目的は頭に残りません。
2.伝わる目的は「行動」に置き換えられている
目的を伝わる形にするために必要なのは視点の切り替えです。
この教育のあと、どんな行動を取ってほしいのか。
ここまで落とし込めているかどうかが、大きな分かれ目になります。
例えば、
「事故を防ぐ」ではなく、「作業前に一度、立ち止まって確認する」
「分からないときは、そのまま作業しない」
行動がイメージできる言葉に変わると、受講者は
「自分の話だ」と感じられるようになります。
3.目的は講師や担当者だけのものではない
目的を決めるとき、 事務方や講師の頭の中だけで
完結してしまうことがあります。
ですが、 受講者に共有されていない目的は、
存在していないのと同じです。
「今日は何のための講習なのか」
「この話を聞いて、何を持ち帰ればいいのか」
これを最初に言葉にするだけで、受講者の聞き方は大きく変わります。
4.講師として現場で感じる「伝わる瞬間」
講師として現場に立っていると、
目的が伝わった瞬間が分かります。
それは、うなずきが増えたり、質問が出たり、
自分の作業に置き換えた話が出てきたときです。
目的が行動に結びついた言葉になると、講習は一方通行ではなく、
対話に変わります。
その積み重ねが形だけではない教育につながっていきます。
5.目的を言語化することが立て直しの土台になる
安全衛生教育を立て直すとき、新しい方法を探す前に、
まず目的を言葉にする。
しかも、
誰にでも伝わる、行動がイメージできる言葉にする。
それができると、 内製か外注か、
対面かオンラインか、
その選択も自然に決まってきます。
目的の言語化は安全文化を積み上げるための、
確かな土台になります。

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