のどの渇きは体内水分が失われた後に届く遅延信号、個人の「渇いたら飲む」感覚では現場脱水は防げない。
「のどが渇いたら水を飲む」。
これは日常生活では通用しても、高温環境の現場では致命的な誤りになる。のどの渇きを感じた時点で、体はすでに脱水状態に入っている。渇きは「今すぐ補給を」という遅れて届く警報であり、理想的な補給タイミングではない。さらに「こまめに飲め」という指示は、水分管理を個人の注意力に丸投げしているに過ぎない。感覚に頼る自己管理を個人に委ねる限り、脱水は繰り返される。「1時間ごとにコップ1杯」のような時間基準の補給ルールを組織として設計し、全員が渇く前に飲める構造を作ることが、本当の熱中症対策の基盤となる。