服薬による脱水促進・発汗抑制は本人の自覚とは無関係に起きる物理的変化
「自分は自己管理できているから大丈夫」その言葉を信じて配置した作業員が、熱中症で倒れる。糖尿病・高血圧の治療薬には尿として水分を強制排出する利尿作用があり、精神・神経系の薬には発汗そのものを抑制する作用がある。本人が「いつも通り」と感じていても、体はすでに脱水しやすく、体温が上昇しやすい状態に作り替えられている。これは自己管理の問題ではなく、薬の作用による物理的な変化だ。問題は作業員の意識ではなく、持病・服薬の確認を個人の申告任せにしている組織の設計にある。配置前に「持病はあるか」「服薬しているか」「その薬に脱水・発汗抑制の副作用はないか」を確認する仕組みを組織として持つことが、見えないリスクを管理する唯一の手段であり、安全配慮義務を果たす企業の責務である。