熱中症対策のフロー 「知っている」と「緊急時に判断できる」の間には埋まらない認知的空白、判断プロセスを構造化し実践的訓練を組み込む組織設計である。
熱中症対策として、フロー図を貼り手順を共有する。法的にも問題のない誠実な対応だ。しかし実際の緊急場面で、人はなぜ動けないのか。それは意識の問題ではなく、「知っている」状態と「緊急時に正確に判断できる」状態が脳の異なる領域に保存されているという認知科学的事実による。さらに傍観者効果・凍りつき反応・役割の曖昧さといった人間として自然な心理的反応が、準備された手順を無力化する。問題は個人の弱さではなく、これらの自然な反応を前提にした組織設計の欠如にある。「誰が・何を・いつ・どの基準で判断するか」を事前に構造化し、知識を行動に変換する実践訓練を組み込むことで、緊急時に本当に機能する現場を作ることができる。