視線が集まる。
メモが始まる。
質問が出る。
こうした合図が出たとき、
「今、伝わった」
そう感じる講師は多いと思います。
ですが、この合図は
偶然生まれているわけではありません。
合図が出る講習には、
最初からそうなるように設計された入口があります。
入口でやってはいけないこと
いきなり自己紹介をする。
いきなり法律の説明に入る。
いきなりスライドを進める。
これらはよくある始め方ですが、
受講者の頭の中では
「自分とどう関係があるのか」が
まだ見えていません。
この状態では、
合図はなかなか出てきません。
合図を引き出す入口の基本構成
合図が出る講習の入口は、
大きく分けて
三つの要素で構成されています。
一つ目は、
「これは自分の話だ」と気づいてもらうことです。
作業名。
現場の状況。
よくある行動。
受講者が
「あ、それ自分たちのことだ」
と思える言葉を、
最初に置きます。
二つ目は、
考える時間を先に渡すことです。
説明する前に、
「もし自分の作業だったらどうか」
を考えてもらいます。
この時点で、
受講者の頭は
すでに動き始めています。
三つ目は、
今日の講習で何を持ち帰ってほしいかを明確にすることです。
全部覚えてほしい、
ではありません。
「ここだけは持ち帰ってほしい」
その一点を
はっきり言葉にします。
入口で合図が出始める瞬間
この構成で始めると、
ある変化が起こります。
視線が外れなくなる。
自然とメモを取り始める。
隣同士で小さな会話が生まれる。
これは、
受講者が
自分ごととして考え始めた合図です。
入口は説明ではなく「準備」
入口の役割は、
知識を与えることではありません。
受講者が
考える準備を整えることです。
この準備ができてから
法律や手順を伝えると、
同じ内容でも
受け取られ方は大きく変わります。
合図は講習の途中ではなく、最初から生まれている
合図が出るかどうかは、
途中の話し方よりも、
入口でほぼ決まっています。
最初の数分で、
受講者を主語にできるか。
それが、
伝わる講習と
伝わらない講習を
分けるポイントです。

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