毎日水を飲んでいるのに、
なぜ熱中症になるのか。
その答えは
「塩分」にあります。
水だけでは、
体の調整機能は守れません。
1.水を飲むほど脱水が進む「自発的脱水」
汗をかくと、
水分と一緒に
塩分(ナトリウム)も失われます。
そこで水だけを飲むと、
血液中の塩分濃度が
どんどん薄まります。
体は濃度を戻そうとして、
余分な水分を
尿として排出し、
さらに
「これ以上飲むな」と
喉の渇きを止めます。
これを
「自発的脱水」と呼びます。
飲んでいるつもりでも、
体の中は乾いていく。
これが
「水は飲んでいたのに倒れた」
熱中症の正体です。
2.低ナトリウム血症が引き起こす危険
塩分濃度が下がると、
低ナトリウム血症という
危険な状態になります。
人間の体は、
水の「量」ではなく
「濃度」で調整されています。
これを
浸透圧バランスと言います。
塩分濃度が薄まると、
・細胞に水が入りすぎてむくむ
・筋肉が正常に動かなくなる
・体温調整ができなくなる
・脳がむくみ意識障害を起こす
脳がむくめば、
頭痛・吐き気・意識障害。
筋肉がむくめば、
けいれん・脱力。
これが
「水中毒」の正体です。
3.1日で失われる塩分は最大9g
汗1リットルには、
約1〜3gの塩分が
含まれています。
真夏の現場作業では、
1日で2〜3リットル以上
汗をかきます。
つまり、
1日で3〜9gの塩分が
失われるのです。
厚生労働省の推奨は、
水1リットルに対して
食塩1〜2g(0.1〜0.2%)です。
水を飲むたびに、
塩分も一緒に補う。
これが
熱中症を防ぐ
唯一の方法です。
4.「意識」ではなく「仕組み」で守る
「各自こまめに塩分補給を」
という指示だけでは、
現場は守れません。
忙しい現場では
忘れてしまうからです。
必要なのは、
塩分を摂らざるを得ない仕組みです。
例えば、
・ウォーターサーバーの横に必ず塩分タブレットを常設
・休憩時間にスポーツドリンクを配給
・朝礼時に全員で塩飴を1つ食べる
・給水所に経口補水液を標準配備
・水だけの補給を禁止するルール
「気をつける」のではなく
「気をつけなくてもできる」状態にする。
塩分補給は、
食事ではなく
安全管理業務です。
知っているようで、
意外と知らない熱中症の話。
安全は、
個人の意識ではなく
現場の構造で守るものです。
大切な人を守るために、
水と塩分を
セットで補給する仕組みを
整えてください。

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