事故が起きるたびに
「意識の問題」
「教育が足りない」と言われる。
でも本当に
そうだろうか。
1.「意識」のせいにすると思考は止まる
「作業者の安全意識が低かった」
報告書にそう書いた瞬間、
事故の分析は終わります。
対策は
「再教育の徹底」
「注意喚起の強化」
になります。
しかし、
人の意識は
永遠には続きません。
疲れれば注意力が落ち、
慣れれば油断し、
忙しければ確認を省きます。
「意識の問題」にするのは、
管理する側の
思考停止です。
2.問われるべき3つの質問
事故が起きた時、
人を責める前に
問い直すべきことがあります。
異常を報告できる体制があったか。
「異変を感じたら報告せよ」
その指示は出していても、
・誰に報告するのか明確か
・報告したら必ず対応されるか
・報告が歓迎される空気があるか
・報告しても不利益を受けないか
これらが整っていなければ、
人は報告しません。
動ける手順が整備されていたか。
「安全第一で作業せよ」
その言葉だけで
現場は動けません。
・どの状態になったら作業を止めるのか
・誰が判断し誰が指示を出すのか
・停止後の連絡先と対応手順は何か
・再開の判断基準は明確か
これらが具体的でなければ、
現場は「なんとなく」で
判断するしかありません。
そもそも仕組みが、現場に伝わっていたか。
「作業手順書に書いてある」
「朝礼で説明した」
それで
伝わったと思っていませんか。
情報は、
相手が理解し、行動が変わって初めて
「伝わった」ことになります。
3.「報告できない現場」を作っていないか
「報告がなかった」のではない。
「報告できない場」を
組織が作ったのです。
・手を止めると怒られる
・「それくらいで騒ぐな」と言われる
・報告しても何も変わらない
・前に報告したら責められた
そんな経験があれば、
人は黙ります。
これは
意識ではなく、
文化と構造の問題です。
4.人間の限界を前提とした設計
人は、
必ずミスをします。
それは
不注意ではなく、
人間の限界です。
その限界を前提に
設計されていない組織が、
事故が起きたときに
「意識が低い」と
個人を責める。
これは
構造的な欠陥です。
問題は「人」ではなく、
「設計」にあるのです。
5.対策を追加する前に、仕組みを問い直す
事故が起きると、
多くの組織は
「対策を追加」します。
・チェック項目を増やす
・教育時間を延ばす
・ルールを厳しくする
しかし、
複雑になればなるほど、
現場は守れなくなります。
必要なのは
対策の「追加」ではなく、
仕組みそのものの
「問い直し」です。
・報告体制は機能しているか
・手順は現場で使えるものか
・情報は本当に届いているか
・個人の判断に頼りすぎていないか
これらを
根本から見直す時が
来ています。
安全は、
個人の意識ではなく
組織の設計で守るものです。
現場を持つ
すべての管理職・経営者に、
読んでほしい内容です。
あなたの組織は、
人を責めていますか。
それとも、
仕組みを疑っていますか。

コメントをお書きください