「粉じんが舞っていないから、
まだ大丈夫」
そう判断していませんか。
研削作業で発生する
「と粒」の微粉は、
目に見えないサイズまで
細かくなります。
つまり、
見えていないだけで、
空気中にはすでに漂っている。
1.最も危険な粉じんは「見えない」
人間の目で見える粒子は、
直径10マイクロメートル以上です。
しかし、
肺の奥まで到達し
じん肺を引き起こす粉じんは、
直径5マイクロメートル以下です。
つまり、
最も危険な粉じんは
目に見えません。
この大きさになると、
鼻や気管の粘膜で捕まえられず、
そのまま肺胞まで
入り込んでしまいます。
研削砥石から飛び散る火花は
見えます。
しかし、
その周囲に漂う微粉は
見えません。
「粉じんが見えないから安全」
ではなく、
「粉じんが見えないから
すでに危険」なのです。
2.じん肺に治療法はない
そして、
その微粉を長期間吸い続けることで
肺の中に蓄積し、
じん肺という
障害につながります。
じん肺は、
ある日突然起こる事故ではありません。
見えない粉じんを吸い続けた
「積み重ね」で起きます。
肺に入った粉じんは、
体外に排出されません。
蓄積し続け、
肺の組織を硬くし、
やがて呼吸機能を奪います。
じん肺には、
治療法がありません。
進行を止めることも、
元に戻すこともできません。
唯一の対策は、
「吸わないこと」だけです。
3.「見えてから」では遅い
だからこそ重要なのは、
粉じんが見えてからの対処ではなく、
作業を始める前の対策です。
研削作業では、
ろ過式呼吸用保護具を
正しく着用する。
「見えてから」ではなく、
「見える前」に守る。
それが、
健康障害を防ぐ基本です。
4.個人の判断を介在させない仕組み
「今日は短時間だから」
「ちょっとだけだから」
そう判断して
マスクを外していませんか。
じん肺は、
「ちょっとだけ」の
積み重ねで起きます。
必要なのは、
個人の判断を介在させない
強制的な仕組みです。
例えば、
・研削作業は保護具着用を絶対条件とする
・作業前チェックリストに「マスク着用確認」を必須化
・保護具未着用者は作業場入場を禁止
・「短時間だから」を理由に認めない組織ルール
・DS2以上の防じんマスクを指定し定期交換を義務化
「気をつける」ではなく、
「着用しないと作業できない」構造。
これが
組織による健康管理です。
5.見えない危険を「仕組み」で守る
人間の感覚は、
見えないものを
危険と認識できません。
痛くもなく、
苦しくもなく、
臭いもしない。
だから、
個人の意識では守れません。
必要なのは、
見えない危険を前提とした
組織の仕組みです。
じん肺は、
今日吸った粉じんが
今日症状を出すわけではありません。
10年後、20年後に
現れます。
その時には、
もう手遅れです。
安全は、
個人の感覚ではなく
組織の構造で守るものです。
見えない粉じんを、
見えない仕組みで
守ってください。

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