本人の申告を待つ受け身の安全管理は、服薬による生理的変化に完全無力、安全配慮義務を果たす唯一の手段を解説。
「持病がある人は申し出てください」誠実に見えるこの言葉は、実は安全管理の放棄に近い。薬の副作用による発汗抑制や脱水は、本人すら自覚できないまま静かに進む。「言ってくれれば対応する」という姿勢は、本人が気づいていないリスクに対して完全に無力だ。さらに申告しない理由は隠蔽ではなく、心理的な壁や情報不足という人間として自然な行動特性によるものだ。配慮の気持ちがあっても、仕組みがなければ配慮は届かない。必要なのは、組織が能動的に情報を取りに行く設計。
健康確認票への服薬欄の設置、産業医との連携、配置基準へのデータ反映であり、見直すべきは人の意識ではなく、組織の設計そのものである。